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労働者の安心な職場づくりはカスハラ対策から
カスハラとは?職場における影響を知る
  • check_box カスハラが職場に与える影響を理解することが重要です
  • check_box 具体的な事例を元に、どのような状況がカスハラに繋がるのかを解説します
  • check_box 労働者のメンタルヘルスを守るための具体的な対策や方針を示します
  • check_box カスハラ対策による生産性の向上と職場の雰囲気の改善について考えます
  • check_box 社内教育や研修の実施が効果的な対策の一部です
  • check_box カスハラ対策は企業の社会的責任としても重要です
  • check_box 相談窓口の設置や通報体制の構築で迅速に対応できる仕組みを提供します
カスハラ(カスタマーハラスメント)は、顧客からの不当な要求や圧力によって従業員が精神的な苦痛を受ける現象を指します。近年、この問題は深刻化しており、職場環境や労働者のメンタルヘルスに大きな影響を与えています。特に、カスハラによるストレスは生産性を低下させ、従業員の離職率を高める要因ともなります。そこで、労務管理の一環としてカスハラ対策を講じることは、安心して働ける職場環境を作るために不可欠です。
労働契約の重要性とカスハラ対策

カスハラ対策と上司の初動対応

企業の責任を果たすためのステップ

  • Point 01

    防止マニュアルの重要性

    カスハラ防止のマニュアルを作成することは、企業が労働者の安全を守るために不可欠です。カスハラ行為の抑制を目的とし、対策を講じる姿勢を示します。これにより、労働者は安心して働くことができ、職場全体の雰囲気が改善されることも期待できます。

  • Point 02

    被害者のケア

    カスハラ防止マニュアルの作成しても、カスハラは起こります。実際起きた際に、その対応をした社員のケアは離職防止のためにも、上司の初動対応は重要となります。

  • Point 03

    企業の責任と手続き

    カスハラ対策は企業が果たすべき責任です。適切な手続きを踏むことで、労働者が安心して業務に専念できる環境を整えます。企業は定期的な研修を実施し、カスハラ防止に取り組む姿勢を示すことが、長期的な生産性向上に繋がります。

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効果的なハラスメント対策の実施

ハラスメント対策の実施

  2025年6月4日に、カスハラ対策を雇用主に義務付ける法律が国会で可決・成立し

対象となる多くの企業がすでに対策を講じていると思います。労働者が1人でもいれば義務対象となり、この義務に違反した場合、報告徴求命令、助言、指導、勧告公表

の対象となる為、施行日までには対策は必須となります。

 すでに東京都では、「東京都・カスタマー・ハラスメント防止条例」が

 2024年10月4日に制定され2025年4月1日に施行されています。


事業者にとっては、過去から現在にかけてすでに被害を被った経験もあるかも

しれませんし、今後被害を被る可能性もあります。当然、法制化を待つまでもなく

喫緊の課題であります。

カスハラ被害を受けた従業員が離職してしまうケースもある為、企業の不利益を

できるだけ回避するためにも対応が不可欠となっています。


厚生労働省のパワハラ防止指針での事業主が他の事業主の雇用する

労働者等からのパワハラや顧客からの著しい迷惑行為に関し行う

「望ましい取組」の内容の一部として

(1) 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

  ・ 相談先(上司、担当者)を定め、従業員に周知する

  ・ 相談を受けた者が、相談に対し、その内容や状況に応じ

    適切に対応できるようにする

(2) 被害者(主に社員)への配慮の為の取組

  ・ 被害者のメンタルヘルス不調への相談対応

  ・ 著しい迷惑行為を行った者に対する対応が必要な場合に

    一人で対応させないこと

(3) 被害を防止するための取組

  ・ マニュアルの作成

  ・ 研修の実施

  ・ 業種に応じた被害の実態や業務の特性等を踏まえ、

    それぞれに応じた必要な取組


     (1)(2)は労働者の心身の健康を予防(2次予防)

           することが目的で

     (3)はカスハラを未然に防止(1次予防)する目的です。


● 対応方針の明確化

(3)の1次予防で、マニュアルの作成がありますが、作成する場合

多くの時間を費やす可能性が高いので、事前に準備をしておくことが

望ましいです。作成において、「対応するケース」「断るケース」の

区分を分け、対応方針を明確に打ち出すことが前提となります。

 従業員としては、どんな顧客にも対応しないといけないと思い込んで

いる場合が多いので、会社の方針を知るだけでも安心材料になると

思われます。


可能であれば、業界の組合等がございましたら、同じ業界でマニュアル等

の共有、もしくは業界全体で統一的にカスハラ対策ができればより効果的です。


● 相談体制の整備

 実際、カスハラが起きてしまった場合、被害が深刻化しないようにする必要が

あります。  ※ (1)(2)の2次予防

主に、「相談体制の整備」と「被害者への配慮の取組」が求められます。


相談窓口の設置は、2段階の相談体制が必要となります。

1上司は報告・相談を受け初動対応を担い、被害が大きいケースでは、

2相談窓口につないで、窓口担当者が対応します。


他のハラスメントと違い、実際に顧客と接する各事業所の上司などが

相談を受けることができるようにしておく必要があります。


セクハラやパワハラは被害から少し時間を置いた後に相談を受ける

場合が多いのに対し、カスハラは被害直後に報告相談を受けること

になります。

直後の対応は「応急対応」であり、他の相談とは異なる対応が求め

られます。

相談窓口の役割も幅広くなり、カスハラ対応においては上司の負担

も大きいことから、相談窓口も上司からの報告相談への対応が不可欠

となります。上司としては、様々なケースを想定し法的なアドバイス

が欲しいかもしれません。相談窓口としては人事や総務だけの連携

でなく法務部門や顧問弁護士などの連携も必要となります。


実際カスハラの相談は、職場や業種、内容ごとに様々な面があります。

職場ごとに試行錯誤しあらゆる面を考慮しながら最適な方法を地道に

見つけていかなければならないと思われます。


● 上司の初動対応の重要性

 カスハラが起きた場合、最初に報告・相談を受けるのは上司です。

実際にカスハラを受けた社員は、心理的(肉体的)負担を負います。

一般的にハラスメントを受けたとき、いきなり離職意向に繋がることは

少なく、まず、誰かに相談したり、会社に申し出たりしてハラスメント

の被害を受けないようにする行動を模索します。


その時点で、上司や会社側が真摯に対応すれば、被害者の気持ちは少しは

和らぎます。しかし、社員の訴えに対し、上司や会社側が何もしてくれず

状況の改善がなされない状態が続いてしまうと心理的負担が大きくなり

離職意向へとなります。家庭の事情で辞めれない社員の方でも必ず

生産性は落ちます。離職意向を持った場合も生産性の向上は望めません。


初動対応によって、離職意向そのものを持たせず、できるだけ

心理的負担を軽減させてあげることです。

そのためにも、初動対応をする上司や、周りの社員による対応が

重要となります。


安全配慮義務の観点からも

カスハラによって被害を受けた社員の健康被害の深刻化を防止する

義務が会社にはあります。

上司ができる初動対応から職場復帰について

 カスハラ被害の社員のケアをするのに重要なのが上司の初動対応ですが、上司が専門的な対応を行うことはまず無理です。

上司への負担も大きいことから、できるだけシンプルな対応方法が求めれれます。


(1)見る

   ・相手をよく見る

   ・周囲をよく見る

 カスハラ被害が起きた場合、起きた現場の全体をよく確認しましょう。現在進行なのか、すでに加害者は立ち去ったのか

など安全であるかの確認は必要になります。安全が確認できたら、被害を受けが社員の表情や動きを確認してください。

まず社員の状態を確認し、その状態に緊急性がありそうであれば、被害者への対応を最優先し、他の対応は後回しにしてくだ

さい。周りの人たち(社員や顧客)を確認することも重要です。不安そうな顔や驚いた顔など、一声かけおちついて頂くこと

もその場を少し治めるためにも必要です。社員の中には間接的にハラスメント被害を受けている可能性もありますので、

その場で、一声かけ落ち着いていただきましょう。

カスハラの行為者の中には、器物を壊したり、周りを荒らしたりする者もいますので、現場の状況の写真を撮り記録しておいく

ことも忘れないようにしましょう。


(2) 聞く

   ・落ち着いてもらうために聞く

 (1)の安全確認が終了後、被害社員を別室などに移動してもらいそこで話を聞きます。

最初の話を聞く目的は、気持ちを落ち着いてもらうことであり、事実の確認ではありません。事実関係の確認は、必ず被害者の

気持ちが落ち着いた後にするようにしてください。他のハラスメントとの対応が、この点、大きく違います。

実際、カスハラが起きた場合話を聞くのはその直後が大半で、被害社員は、混乱状態や気持ちが落ち着いていない場合が大半

です。詳細を聞くのは、気持ちを落ち着かせた後にするのが原則です。

被害社員は、いろいろと話したいことがあるかもしれませんので、聞きたいことをいきなり聞こうとせず、相手が話したい

ことを聞いてあげ、気持ちを落ち着かせましょう。

被害者の気持ちが少し落ち着てきたようであれば、事実確認もそうですが、被害社員が「気になっていること」「心配事」を

聞き出しておくことも大事になります。それらを聞いておけば、今後どのようにケアするか、どのように再発防止するか、

どのように職務に復帰してもらうかなどを検討するのに役立ちます。

もちろん被害者の体調についても確認し、「大丈夫です」の言葉を鵜呑みにせず、要所要所で聞いて確認してください。


(3) つなぐ

   ・身近な人とつなぐ

   ・専門家とつなぐ

 つなぐ目的は被害社員を孤立させないことです。周りの同僚の方の協力も必要となる時は、被害社員とできるだけ仲の良い

社員に頼んで、ちょくちょく気にかけてもらいましょう。

被害者の中には、メンタルヘルス不調の兆候もあり、相談窓口へ相談してもらった方が良いケースもあります。

できれば、本人と一緒に窓口に行き、相談に同席してあげるなどの配慮も場合によってはあるかもしれません。

より深刻であれば、産業医や専門医につなぐことも考えましょう。


(1)~(3)の対応をしつつ、被害者の気持ちが落ち着いてきたら、今後のことを話したり、報告書を作成してもらい

その報告書を参考に、上司と相談窓口が連携を取りながらカスハラ再発防止について検討していくことが重要です。


● 元の職場に復帰へ

 会社の規模にもよりますが、数人で店舗を回している事業所の場合、カスハラ直後も元の事業所に戻らないといけません。

メンタルヘルス不調を患ったまま元の事業所に戻った場合、悪化するリスクが高まります。

その場合、業務量を軽減したり、時間を短くしたりして、他の業務と並行させることも考えないといけません。

周りの社員たちの協力は不可欠となりますし、主治医や家族の方との協力も必要になるかもしれません。

会社にとっては労働災害のリスクもありますので、被害社員の様子を常に確認し、様子がおかしければその業務から外して

あげる配慮も重要となります。


ある程度社員の方が多い場合は、最初はできるだけ負荷の少ない状態にして、段階的に元の職場に戻っていただくことに

なると考えられます。


 3つのリスク管理

 1) 本人の意向を確認しながら最初のうちは、顧客対応の時間を制限してあげます。 

   例えば、午前中のみ又は午後のみを顧客対応にし、様子を確認します。支障が無いようであれば本人の意向を

   確認したうえでフルタイムに戻していけば段階的に職場復帰となります。


 2) 被害の事業所に行くとフラッシュバックして恐怖を思い出す場合もありますので、元の職場に戻す場合

   距離を取ることも考えられます。例えば、実際に被害を受けたレジではなく、そのレジから距離を離した、他の

   レジで業務を行ってもらいます。


 3) 被害が暴力行為などであった場合、相対する顧客との間にシールドなどを挟んだ対策も必要になるかもしれません。

   暴力行為を受けにくくするためにテーブルやカウンターなどをシールドと見なして、シールドを挟んだ業務に変更

   したりすることも重要です。


   復帰には、勤務時間を短く、被害場所と距離を取ってあげて、シールドを挟んであげる対応などを検討しながら

   段階的に職場復帰させていくことが、被害者への配慮の取組になるのではないかと思います。

人事評価制度の見直しとカスハラ防止

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