
欠勤について
当日の朝に、昨日あるスポーツを深夜遅くまで応援して、寝不足の為会社を休みま
すと連絡があった場合、会社としてはどう対応すればよいでしょうか。
連絡がある以上無断欠勤ではないので、それを認め、有給扱いまでしてあげれば良い
会社でしょうか。
実際、会社は従業員と雇用契約を締結していて、労働者が会社の事業に使用されて
労働し、これに対して賃金を支払うことに合意する契約であるので、労働者は労務
を提供する義務を負っていることになります。その観点から労働者自身の都合で働い
たり、休んだりすることの自由はありません。よって、会社は欠勤は認められない
ので出勤を促したり、欠勤として給与を支給しないということだけでなく、
出勤に応じない場合、正当な理由のない欠勤として、懲戒処分の対象にしても
問題はないと思われます。
従業員から無断欠勤ではなく連絡しているので、懲戒処分はおかしいと
言われた場合、正当な理由のない欠勤は労務提供義務の不履行であり、
契約違反であるので、その違反が社内秩序にどれほど悪影響を与えたかの
程度で懲戒処分が決まると思われます。
● 会社から無断欠勤への連絡について
会社は、社員が無断欠勤した場合、連絡しなければならないかについて
通常、社員が無断で出社しない場合、会社は心配して連絡するという常識
があると思われます。連絡しないのは、何か意図があるのではないかと
指摘を受けるかもしれません。実際、自宅で倒れていたり、もしくはそのまま
亡くなっているケースもあります。よって、会社は積極的に連絡して安否確認
も含め、出社を促したり、理由を確認してください。
● 無断欠勤で連絡が取れたとき
無断欠勤をしていた従業員と連絡が取れた場合、まず、理由を確認します。
ただ、個人的な事情の為話さない場合もあります。その場合、会社との労務
提供義務に違反している以上、その理由を説明する義務がある旨伝えます。
それでも話さない場合、会社は、また無断欠勤をする可能性を考えてしまい
今後、当事者との労務提供の契約を継続するのが難しくなってしまいます。
実際その無断欠勤の間、他の社員が業務の肩代わりをし、正当な理由も
なく、そのようなことが起きた場合、社内秩序を乱したことになります。
無断欠勤についての理由については、当事者にその理由を説明する義務が
ある旨を伝え、話さない場合や、正当な理由がなかった場合は懲戒処分
の対象となります。
ただし、無断欠勤の理由が、体調不良で連絡が出来なかった場合は、医師の
診断書等の提出を求めます。
● 無断欠勤で連絡が取れないとき
無断欠勤が続き場合、最後は解雇や行方不明による自然退職の処理を検討
することになると思いますが、その間の給与について、社会保険料など本人
負担分が無給の為、控除できないことになります。その場合、会社の勝手で
年次有給休暇を取得したりすることは避けるべきです。そもそも
年次有給休暇は本人の申請があって発生し、申請もないの有給休暇は勝手に
発生しません。これを会社が勝手にしてしまえば、年次有給休暇として処理
され、この無断欠勤の問題を問えなくなります。
無断欠勤の理由について、勤務態度不良で無断欠勤している場合や健康上の
問題であったり事件に巻き込まれている場合、本当に行方不明になっていること
など様々なケースが考えられます。
したがって、まずは無断欠勤初日に電話をし、連絡が取れない場合はメールで
メッセージを送ります。(メールはスクリーンショットなどで残しておく)
ただし、無断欠勤する直前くらいに様子がおかしかったり不安定な言動などが
あった場合、又は、報告を受けている場合は、自宅へ行ってみたり、身元保証人
等が居れば連絡を検討すべきです。
常識的に普通の社会人が2日以上無断欠勤をし、連絡が取れない場合何かの
トラブルに巻き込まれた可能性も視野に入れ、身元保証人に連絡をしてもいいと
考えます。
身元保証人と連絡が取れた場合、事情を説明して、本人に連絡を取って頂き
心配している旨と連絡を至急ほしい旨を伝えてもらいます。
身元保証人との連絡がつかない場合、2~3日後は会社が安否確認の為
本人の自宅に行って様子を見に行くことも検討します。
自宅に行った場合の注意点として、インターホンを鳴らしたり、車があるか
電気がついているかなど一般的な状況確認に留め、住居侵入や周りの住民への
聴き込みなどはしないようにすべきです。
無断欠勤による契約解除の検討
無断欠勤で、期限までに連絡が取れず長期間に及んだ場合、会社としては雇用契約の終了を検討しなければなりません。
無断欠勤が長期間に及び、またその理由も分からない場合は、もはや就労意思がないものと判断することは合理的であると
考えます。
● 行方不明による自然退職
一般的な就業規則で「社員が行方不明となり14日以上連絡が取れないときで、解雇手続きを取らない場合には退職とし
14日を経過した日を退職の日とする」と定めているケースがあります。
この場合、会社が特に契約修了の意思表示をしなくても、自然に退職の効力が生じます。解雇の場合は、雇用契約を終了させる
使用者側の一方的な意思表示であるため、相手にその意思が届くことが必要になります。実際、行方不明の場合は相手に
その意思を伝えることは困難であるため自然退職の方が望ましいといえます。
ただし、行方不明で自然退職の処理をする場合でも、会社としては連絡を取るための様々な手段を講じてみたが連絡が取れず
やむを得ず自然退職という形にしたという、証拠をきちんと保管しておくことが望ましいです。
当人にも、特定記録郵便やレターパックなどで、「就業規則第〇条の規定により、自然退職扱いとする」という契約が終了
した旨を送付しておきましょう。
また、自然退職の期限について、就業規則等で14日経過した後、自然退職とすると規定している会社があると思いますが
従業員にとって有利な扱いとなるように、31日(30日)と規定してあげることで、会社としての誠意は示せると思います。
● 解雇
自然退職の方法は、行方不明の場合には適用できるものの、居留守を使っている場合や、居場所が分かっている場合などは
使えません。行方不明による自然退職の規定が就業規則に無い場合も同様です。
そのような場合は、解雇の手続きを検討することになります。解雇については、相手に意思表示を伝えてはじめてその効力
が発生します。行方不明の場合のようにそもそも解雇の意思を伝えることができない場合は、「公示送達」の手続きが必要
になります。所在が分かっている場合や居留守の場合は、その住所地に解雇通知書を送ることになります。
この場合もレターパックなどで送付し、追跡番号を控えておき相手方に届いたことが証明できるようにしておきましょう。
(レターパックに解雇通知書を入れる動画などを撮っておくことで証拠になりますので撮っておきましょう)
念のために同じ内容の解雇通知書を、相手のメールアドレスにも送付しておきましょう。
身元保証人にも連絡していた場合、再度連絡し、事情を伝えるとともに身元保証人にも解雇通知書を送付しておきましょう。
その後しばらくし、本人から連絡があり退職するつもりはないと言われても、長期間にわたり連絡が取れず無断欠勤がある
事実がある以上、それを正当化できる理由が無い限り、無断欠勤での解雇になる旨伝え、争う実益はないと本人に伝える
ことになると思います。
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